2年前の腰部の帯状疱疹は当院で発見し、直ちに医師へ送り治療を開始しましたが、残念ながら完治には至りませんでした。
患者さんが「強い痛みは取れたけど、しびれは全く変わらず、現在も皮膚に触るだけでピリピリする、腰は触れない日もある」と言われます。
今回は、肩関節が痛く、上腕(二の腕)がしびれると来院されました。
頸椎からの関連はなく、単なる肩の関節炎とし施術を開始しました。
ところが、症状が良り1週間経つと、再び痛いと来院されます。施術で関節の腫れが引いたのに、再び軽度の腫れが出て、本当に痛そうです。
滑膜
繰り返す肩の腫れは、滑膜の炎症です。
この場合は副交感神経の興奮となりますが、見当違いでした。
結局、高齢者独特の交感神経の興奮が取れないための、繰り返す症状と判断しました。
腰の帯状疱疹の痛みやしびれが取れないので、お薬を処方されていますが、これが交感神経を興奮させます。
交感神経の興奮で収まる痛みも多いのですが、患者さんの場合は当てはまりませんでした。
施術
刺絡療法を行いました。
刺絡療法(井穴刺絡・頭部刺絡・細絡刺絡) – 小又接骨院・鍼灸院(村坂克之)
6回施術し、ようやく快適な生活に戻られました。
まず、「漢方の脾」「針灸の脾経」を丈夫にしないと、高齢者の病気は改善しません。
効果も出て、段々と改善してきましたが、なぜか再び関節が腫れて痛みを訴えられます。
よくよく聞くと、目が覚めたときは全く痛くないけど、その後、動かそうとすると激痛が出ると言われます。
交感神経の興奮を抑える、大腸経、膀胱経を基準に行います。
当然、左腰やそけい部の帯状疱疹の痛みも軽減されるために、左脾経、胃経をやります。胆経は最初の2.3回は行いましたが、交感神経の調節にしたために不要としました。
左肩の痛みには、大腸経、三焦経、小腸経と行います。
大椎(GV14)、左手五里(LI13)、左上天泉(PC2)、に細絡がありましたので刺絡を行います。
少ない回数で改善したのは、やはり胃経や脾経の状態を改善したのが原因です。
高齢者ほど健啖家(食欲旺盛)が羨ましがられますが本当です。
腰の帯状疱疹は本格的に施術を開始できれば、年齢✕2=14回程度で改善すると思われます。
レイノー症候群も副交感神経の興奮と交感神経の興奮の2つが絡み合っていますが、末端の冷えも少しずつ改善してきまた。
レイノー症候群 – 06. 心臓と血管の病気 – MSDマニュアル家庭版
患者さんは、血液が末端に行くけど戻りが悪いタイプなのでムラサキ色に変色します。
聞くと、小学生からこのような症状で治らないとあきらめていたそうです。