国家資格である鍼灸師にて刺絡を行います。
西洋医学の外科処置である瀉血とは、方法・効果・対象疾患などが全く異なります。
速攻性のある治療法
井穴(せいけつ)と総称されるツボがある。古代以来、中国で生命エネルギーがわき出る泉として特別な扱いを受けてきた。末端の刺絡の刺激は、脳の中枢に伝わって自律神経を整え、臓器や組織の病変を治癒させるというのが浅見理論だ。
引用:鍼灸の挑戦-自然治癒力を生かす-、松田博公著、岩波新書
指先の経穴(ツボ)へ行う井穴刺絡療法・井穴刺絡学は、医学博士、故・浅見鉄男先生が東洋医学や良導絡の約40年の臨床研究から確立させた治療法です。
ご著書紙帯に、
これらの治療法による脳並びに脊髄神経への作用により、わずらわしい検査、診断、薬服用、注射を一切用いずに診断治療及予後を決定する。21世紀の医学界に地滑り的大革命をもたらす全く新しい医学で、井穴刺絡学こそ21世紀の医学である。
と書かれています。
現在、浅見鉄男先生から直接学ばれた福岡県の 稲舛茂俊先生 (株)医学社・ぎんなん治療院 が普及に尽力されています。
浅見先生のご著書『21世紀の医学』は、井穴刺絡学会から定価で購入できます。
手順に沿って実施すると驚異的な効果を発揮しますが、施術のコツや経験値は必要になります。
刺絡(しらく)の解説
刺絡鍼法とは、患者の状態に合わせて皮膚や経穴、血絡(けつらく)を選び、三稜鍼(さんりょうしん)やその他の鍼を使用して浅く刺し、少しの血を出すことで経絡の気血の流れを良くし、症状を和らげ、病気の治療を助ける方法です。
初めに
刺絡は、痛み、しびれ、神経痛、打撲や捻挫、肩こり、内科、眼科、皮膚科などのさまざまな症状に効果があります。主に三稜鍼(さんりょうしん)を使用し、痛む部分の血絡(けつらく)を1ミリ、2ミリ刺し、少量の血を取る治療法です。
歴史
刺絡が最古の鍼法と言われています。
現在知られている最も古いものは、黄帝内経、素問・霊枢(こうていだいけい、そもん・れいすう)で、刺絡に関する詳しい記述があります。(原著は紀元前200年頃(前漢)から220年(後漢)の頃にかけて編幕された中国最古の医学書)
素問の中で「血が溜まっている場合は刺して血を取るべき」と書かれており、さらに他の部分では、「先に溜まっている血を取り、その後で補充や瀉法を行うべき」との指示があります。
霊枢にも、「溜まっている血を取る」との記述があります。これらの古典の中には、まず血絡(けつらく)を除去するという指示があります。
このことから、鍼灸の技術は刺絡から始まったと言っても過言ではありません。現在でも、この方法を正確に行えば、非常に良い効果が期待できます。
方法
刺絡の方法は4つあります。
- 井穴刺絡|指先のツボである井穴(せいけつ)へ刺絡を行います。一番多用しています。
- 頭部刺絡|頭のツボに刺絡を行います。
- 細絡刺絡|痛む部分の血絡(けつらく)を探し、三稜鍼(さんりょうしん)を当てます。下肢のだるさや重さ、神経痛の解消に即効性があります。
- 皮膚刺絡|乱刺しをして、その上から吸角を置きます。肌が盛り上がって滞っている、またはこりや重い感じがある部分に適用します。
用鍼
当院で使用する鍼は、使い捨ての専用針を使用していますので感染することはありません。ご安心下さい。
繰り返し使う治具は、全て高圧蒸気滅菌済みです。