腕踝鍼(わんかしん)が、運動器の急性症状に大変有効であった症例を経験しました。
ご教授頂きました、森ノ宮医療学園の藤川直孝先生に感謝です。
腕踝鍼とは
経絡の十二皮部(六経皮部)一正経十二経脈の流注上にある皮層領域へ刺す鍼療法です。
上1~6、下1~6までのポイントに刺します。基本と指先から体幹に向けて刺しますが、反対に刺す病態もあります。
患者さんが私たちへの施設へは来院される第一の動機は、即効性を期待されますので、これから見直される技術だと思います。
症例
中学生運動選手です。
3月上旬に捻挫をして、整形外科でレントゲンやMRI検査をしても異常がありません。痛みが続くので、3月中旬に来院されました。
普通の捻挫です。後講釈ですが、もっと早くに来れば早く治っています。
前距腓靱帯の捻挫で、靱帯部に腫れと痛みを訴えられます。見かけ上でも腫れが確認できます。上腓骨筋支帯も若干の痛みがあります。
初回の施術は、前距腓靱帯へマイクロカレント微弱鍼通電、関節内の腫脹を確認したので、丘墟(GB40)-商丘(SP5)の透刺をしてパルス通電の鍼を行ったのですが、翌日は痛みがNRS(Numerical Rating Scale)、10が7ぐらいになった程度で、まだまだ痛いということです。
2回目、関節内の腫脹は引いてます。足関節の透刺は大変有効です。
重要な試合があるということで、腕踝鍼を試してみました。足4ラインです。
同時に前距腓靱帯へのマイクロカレント微弱鍼通電も行ったのですが、術後は腫れがぐっと引いてて驚いた次第です。
患者さんも、大変楽になったと言われ、その後ソマニクス®を運動時に負荷の掛かる部分に貼り終了しました。
これで試合にも出られると思います。
腕踝鍼の効き目がこれほどあると、中国の裸足の医者を馬鹿にできないなと思いました。
後日談
他の症状で来院されたときに状況を尋ねたら、痛みも無くなり試合に出られたそうです。めでたし、めでたし。
絶版本の入手は気を付けて
医道の日本の手根足根針は絶版になっていますが、詐欺サイトでの販売が多いので騙されないようにして下さい。
ヤフオクなど正規オークションで購入されると良いです。