高校生、サッカー部のお子さんです。
そけい部の痛みで整形外科を受診されています。残念ながら症状の変化が無く、当院へ来院されました。
検査
股関節の可動性をチェックします。
屈曲、内転、内旋で圧力コンプレッションします。
Fadirf test(ファダーフテスト):膝屈曲位で股関節を90度屈曲し、その位置から内転、内旋、屈曲。仙腸関節の前屈が起こる。
そうすると、そけい部に痛みが誘発されました。健側は反応は出ません。
股関節自体の屈曲の柔軟性も無くなっています。これは痛みをかばうためです。
治療
仙腸関節と腰仙関節の隙間異常を修正します。
通常、この関節異常は年齢と共に現れますが、若年層では引っかかりがあると突然症状として現れますからびっくりされると思います。
治療後、股関節の動きは95%正常になりました。後の5%は痛みをかばっていたための筋や靱帯の緊張なので数日で解消されます。
腰仙関節と仙腸関節の隙間で、微少な左右の振子の動きがありますが、それが正常にならないと屈曲内旋の痛みが取れません。
この患者さんはそれに加えて、下位多裂筋の異常もありましたので手間取りました。