飛騨地方(高山市・飛騨市・下呂市・白川村)の患者さんです。数年ぶりの来院です。
声量も弱く、声が枯れています。歌手の森進一さんのようです。
風邪が治らないので検査をしたら、喉(のど)にポリープが見つかったそうです。切るほどでは無く様子だそうです。
会話が必須の職業なのでどうしようと心配されています。通常、呼吸器疾患は数ヶ月から半年以上の治療期間が必要です。
他に、母指CM関節症や慢性の肩こり症も有ると言われるので一緒に治療します。
声が枯れるのを漢方では嗄声(させい)と言います。
私も家系的に呼吸器が弱くて、夕方になると声が枯れることが多く、現在「滋陰降火湯」を服用して調子が良くなりました。私には ピッタリ合いました。
他にも実践している方法がありますが後々公開します。
のどや鼻が人の免疫力抵抗力の関所基本なので本当に大切です。
漢方的な見方
腹診では臍傍圧痛点(せいぼうあっつうてん)があり、これは瘀血(おけつ)が有る反応で、ご婦人ならあるある現象ですが、関節の痛みを憎悪させます。
背候診(背中の状態)は、珍しく腰には全く問題がありませんでした。
素晴らしい腰ですが、このような場合は陰陽バランスを取るようになるので、背中から上に問題が出る場合が多いのです。
やはり、膈(かく=横隔膜)から上はダメでした。胸椎1-7が右側凸でこれが母指CM関節症の引き金にもなっています。
肝心の声がれですが、膈の上下の流れを改善すれば良くなると判断しました。
治療施術
膈(横隔膜)の流れ良くして、ノドの状態を良くする鍼を行います。
仰向けの施術を終了し、うつ伏せで肩こりを確認するとフニャフニャなっています。これが膈の流れを改善した結果です。追加で頸椎2番から胸椎の歪みを治します。
今回の患者さんの声がれには、漢方の肺胃腎の経穴の状態を確認して施術を行います。
終了後、顔のむくみもすっかり取れ、目もぱっちりになり、会計時には声が出るようになり驚かれました。
漢方東洋医学
標準治療では根本的にポリープの切除になります。もう少し大きくなるのを待ってから切除となりますが、鍼を続ければポリープも小さくなりますから、選択は患者さん次第です。
若かりし頃、西洋医学で全て解決すると信じてやっきましたが、万能ではありませんでした。
漢方東洋医学の考えも合致する症例もたくさん有るのを気づき、現在の治療施術に役立てています。
患者さんも、西洋医学の標準治療で改善しないから私たちの元へ来院されるわけですが、なるべくスパッと治るように日々研究精進しています。
後日談
5日後、再来院されました。
治療後検査に行かれのどのポリープは小さくなり、声も普通に出るようになりました。めでたしめでたし!