埼玉県から来院されました。
健康のために始めたテニスに魅了されて、全国クラスを目指して日々トレーニングをされています。
良いコーチ
カートを押しているときに、コーチに手の握り方を指摘されていました。目の付け所が鋭いコーチです。
普段から親指を寝かせるクセがあったそうです。これは女性に多い特徴で致し方ない面もあります。
母指CM関節症をかばう内に、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)も発症しています。
症状
ラケットを握る側の母指CM関節症とテニス肘です。
スポーツに限らずよく診る症状です。
お仕事も筆記やタイピングで、指を酷使されるので辛いそうです。
一番辛い症状はボールを打ったときの衝撃で痛みが出ることです。
解説
上腕骨外側上顆炎 – 25. 外傷と中毒 – MSDマニュアル家庭版
治療
既往歴として先天性股関節脱臼があり、仙腸関節から治療を構築する必要があります。
頸椎ヘルニアもあり、今は症状としては出ないそうですが、母指CM関節症との関連が当然あって、頸椎椎間関節の可動性を回復させないとキレイに治りません。
運動選手なので体力的には問題ありません。
凄い冷え性を自覚されているので高濃度人工水素水浴は必須です。
ミドルエイジ以後はゼラチンやコラーゲンの摂取も症状を取るためには必要と考えます。
前腕の固さも患側にありました。
通常は無視して良いくらいの固さでしたが、運動選手となると厳しめに診ないと悪化します。
正しいストレッチと、CM関節の動かし方も間違っていたので学習して頂きました。
特製サポーター
母指CM関節症用特製サポーターの使いやすさに驚かれました。
固定は最小限で、手も使えます。固定の調節も可能です。通常は固定が固く患部の安静は保てますが実用にはなりません。
このサポーターの最大の特徴として、親指が人差し指と対立する位置(OKサイン・輪を作る)に落ち着かせることが可能です。
CM関節症になる人は対立位置から平行位置(敬礼様な指の位置)に変位しますので、このクセを治すことが治療のポイントでもあります。
治療内容
- 母指CM関節自体の抗炎症
- 外側脊髄視床路への神経促通
- 関連する脊椎椎間関節や仙腸関節の可動性回復
- 骨盤と肋骨の動的可動性の回復と立位体幹軸の修正
- 患部の悪玉活性酸素除去
- 患部の血流改善と上肢筋群の筋力向上
治療法
- 低周波通電/微弱電気通電
- チクチク療法(長田式無血刺絡療法)
- 解剖運動学矯正法
- パーマー式カイロプラクティック
- アクティベーター療法
- リアライン療法
- 高濃度人工水素水浴
- 加圧リハビリ(医療目的加圧トレーニング)
母指CM関節症に対して
- 独自サポーターの巻き方の習得
- 自己チクチク法の習得
- 正しいストレッチの習得
結果
遠方からの来院のため、1回治療しました。日帰り強行軍です。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、治療途中で痛みは消失しました。
母指CM関節症の炎症状態である腫れが若干消退しました。
自己チクチクと手のストレッチを一生懸命行えば、1ヶ月以内に大幅に改善されるでしょう。