45年の臨床経験|観察から原因を見極め、治療設計で結果に導く

手術もセルゲル法も効果なし―それでも鍼で変化が出始めた

70代の女性です。腰椎すべり症で数年前に固定術を受けられました。しかし手術後も症状は改善しませんでした。

腰椎辷り症、保険の手術 – Google 検索

その後、自費で高額なセネゲル法を受けられました。椎間板には画像上の変化が生じたものの、体感としての症状変化はなかったそうです。

セルゲル法 – Google 検索

名古屋在住のお子さんが飛騨地方の実家へ帰省の際に、連れて当院へ来られました。「少しでも良くなる可能性があれば」という、ご家族の切実な思いからです。

既往歴

既往が多い方です。

パーキンソン病を発症されていますが、歩行は可能で震えもまだ出ていません。

他の病気の手術歴もあります。他に高血圧、2型糖尿病、高脂血症、便秘、逆流性食道炎があります。

逆流性食道炎は便秘を改善すると解消します。特定の漢方薬が効果的です。ご相談下さい。

初検時の漢方所見

舌は陰虚の所見で、舌苔も少なく胃気の脈が弱い。脈は高血圧ですから洪大です。

証は肝腎陰虚です。加齢などの要因により、体内の潤いである肝腎の陰液が不足することがベースにあります。

陽亢です。 陰が陽を抑えきれなくなるため、相対的に陽気が高ぶる陽亢の状態となり、これが「内風(ないふう)」を引き起こして震え(振戦)や筋強剛を生じさせていると考えます。

治療と経過

鍼治療を行いました。

治療前はヨチヨチ歩きだったのですが、終了後に待合室へスタスタと歩かれて、私もご家族もビックリしました。

1番驚いたのは目力が弱かったのが、目に生きる気力がみなぎってきたことです。

2回目の来院時、「数日間は腰痛が楽になったけれど、また元に戻った」とおっしゃいました。初回からこれだけの反応が出るのは良い兆候です。治療への反応性が確認できました。

2回目の舌診は陰虚が改善しています。胃の気も良くなっています。治療終了後、土色の顔色が赤味が差しました。

今後は月に2回のペースで継続していきます。ご息女が帰省の都度、連れて来られる予定です。

10回以降から確実な変化が出ると思います。良い方向へ向かうことを願っています。

複合した既往を持つ患者さんへ

手術を受けても、最新の自費治療を試みても、改善しないケースがあります。

既往が複数あり、体の状態が複雑であるほど、東洋医学的な診断と鍼治療が力を発揮することがあります。証を読み、その方の体全体に働きかけるのが鍼灸の本質です。

遠くからご家族が連れて来られる。その思いに、できる限りお応えしたいと思います。

あきらめる前に、一度ご相談ください。

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。鍼師、灸師、柔道整復師の国家資格にて治療を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。PC文字入力は親指シフト(orz配列)ユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。