ご家族が鍼治療で健康を維持され、非常に調子が良いとのことで紹介を受けました。
しかし、ご本人は鍼治療に対する恐怖心があり、なかなか踏み出せずにいました。それでも、耳鳴りによる不眠が続き、ようやく来院されました。
加齢性難聴と耳鳴りの特徴
患者さんは5~6年前から耳鳴りが気になり、耳鼻科を受診して加齢性難聴と診断されています。
現在、悪い方の耳の聴力が低下しており、特に耳鳴りがひどく、眠れないため睡眠薬を服用しています。
この耳鳴りを何とかしたいというのが、今回の主な相談内容でした。できれば聞こえ方も改善したいと希望されています。
鍼治療について
当院では、突発性難聴や加齢性難聴に対する鍼治療の実績があります。
ただし、東洋医学は標準治療ではなく、標準治療では改善が難しいとされる症状へのアプローチとなります。また、治療は自費のため、費用面も考慮する必要があります。
補聴器を使用するのも賢明な選択肢ですが、患者さんが耳鳴りの改善を希望されるため、鍼治療を行うことになりました。
治療の流れと見込み
鍼治療は20回以上の治療が必要になります。費用の目安としては、補聴器を購入する程度の金額とお考えください。
- 改善パターンの例
- 5回、10回、15回と治療を重ねるごとに、薄皮をはぐように少しずつ改善が見られます。
- 10-15回まで全く変化を感じられず、以後みるみる改善する場合も多いです。これは耳の特性で70-80%改善しないと良くなったと感じないからです。
- 耳の感覚器の特性として「あれ、そういえば以前あった耳鳴りが減ったなー」「後ろからの音の聞こえ方が変わってきた」とかの変化となります。
- 10~15回の治療を終えた段階で継続の判断を行います。
- 効果が感じられない場合は、その時点で終了も可能です。
- 体調自体が良くなるため、耳鳴りの変化がなくても継続する方も多いです。
かつては上部頸椎の矯正によって耳鳴りを改善していましたが、高齢者にはリスクが伴うため、現在は鍼治療をメインとしています。その結果、より良い成果が得られています。
現在の状態と今後の期待
治療直後、患者さんは耳鳴りや聞こえの感じ方の変化を実感されました。聴力検査で変化が数値に表れることもありますが、感じ方として改善されることが多いです。
今後の経過が楽しみです。
難聴
世界標準のメルクマニュアルの解説です。
難聴の管理 – 19. 耳、鼻、のどの病気 – MSDマニュアル家庭版
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標準治療は、改善はあきらめ良い補聴器の使用を勧めています。耳鳴りには言及はありません。
補聴器の代用になる製品
私の知る代用品は、AppleのAirPodsPro2や、シャープのスゴミミです。
Appleの凄さに恐れおののいています。そのうちApple Watchで血糖値が測れる時代が来るそうですから。
シャープ補聴器
シャープ補聴器 | メディカルリスニングプラグ | SHARP
通常、補聴器と言えば高額な商品ですが、耳へのサポートする製品が安価に提供されるのは、ユーザーにとっては好ましいかと思います。