村上宥快和尚さん【1918年(大正7年)10月8日〜1991年(平成3年)3月12日・享年72歳】のお話をまとめました。
仏教関連の雑誌や新聞への投稿記事です。
宗教と物理科学
「空」の真実を理解へ、坐禅で見た物質の結集条件
宗教と物理科学は軌を一にしているので切り離すことはできません。また医学も生老病死の立場から申しても全く同じことと思います。
本来、意識(魂)と肉体は別々のものではありません。これを仏教では色即是空あるいは色心不二ともいっているのです。
これらの〝言魂〟を単なる字句としてうけとるため、「空」を空しいとか無であるとか平然と解釈をするようになります。
仏教は体得の世界であり自覚するものであります。般若心経の中の空という字は、唯の意識ではなく、宇宙意識ということになります。
これは宇宙空間と言えましょう。宇宙空間は無ではありません。もし無であるとするならば、テレビもラジオも空間電送はできないはずです。
テレビの受像機だけで映像はできません。放送局がテレビカメラで捉えた映像や色彩を、電波のエネルギーに換えて空間に放映しただけでは、テレビに受像しません。受像機に電気エネルギーを入れてチャンネルを合わせて初めて放送局で放映したものを見ることができます。
人間の肉体も、次元こそ違ってもテレビの受像機と同じ作用をいたします。人間には、九次元という高次元の神の意識の放送局というべき世界があります。
この意識を般若波羅蜜多というのであります。
この世界は万物万象の意識の世界であり、全智全能の能力を備え、その意識を神というのです。人間は眠っている時には意識が肉体から離れており、スイッチは入っておりません。眼が覚めた時初めて意識のスイッチが入って肉体活動が始まるのです。
しかし人間は、心の眼で観るのと、肉眼で視る世界とでは遥かな隔たりがあります。
心眼で観る世界を、空の世界即ち実在界といっているのです。これが解らないと空という真実は理解できません。肉体と意識、物質とエネルギー、この世とあの世、これが空の正体であります。
去年の春のことだったと思います。私は坐禅の中でこの物質の結集条件を見たのです。つまり物質は正六角形の集積体であることを意識の中で観たのです。
そして、本年三月初めのことでした。NHKテレビのニュースを見ていると、1万5千倍の電子顕微鏡が発明され、その顕微鏡で覗くと物質の構成は六角形であることが判明したということでした。
私が意識の中で観たものと全く同一であることが解ったのです。雪の結晶、蜂の巣、亀の甲羅、水晶、またテレビの光も六角形なのです。
私はこれこそ神の御影(意識)であり、天上界からのテレパシーであることを理解することができました。
万生万物の生命の根源が神の意識によって動いていることの確認ができ、これが般若波羅蜜多であり、六波羅蜜の根源も理解できたのです。
アインシュタイン博士は物質とエネルギーは共存しているという「神理」を認めておられるが、一般の科学者や医学者は余り神という言葉は使いたがらないようです。
ミクロの世界の核分裂の運動、マクロの天体の自転、公転の運動、引力・磁力・重力の作用、私ども人間の意識作用といい、神の力でなくて何でありましょう。