先日、来院くださった50代の女性患者様のお話をご紹介します。
子供の頃からしゃがめない
この女性は子供の頃から「ウンコ座り」、いわゆるヤンキー座り(しゃがみ込みの姿勢)ができなかったそうです。
当時は「自分は体が硬いんだ」と気にしていなかったようですが、最近になり、朝起きたときのアキレス腱の痛みに悩まされるようになったそうです。
実際に足首の状態を診てみると、足関節が本来よりも可動域が狭く、しゃがむのに必要な角度である90度以上に曲がりませんでした。
通常、足首の動きの制限は骨盤、特に仙腸関節(骨盤の関節)の歪みを整えると改善するケースが多いのですが、今回のケースは少し違いました。足首自体、特に距骨(きょこつ)と呼ばれる足首の中心となる骨に問題がありました。
距骨は、すねの骨と踵(かかと)の骨をつなぐ重要な部分で、足首の動きに大きく関わっています。この距骨の動きが悪いと、足首の柔軟性は著しく低下し、結果としてしゃがむことが難しくなってしまうのです。
足関節の矯正法
この女性の場合、足首そのものに直接アプローチする「足関節矯正」を行いました。矯正といっても、力技ではなくデリケートで安全な方法ですが、実は専門的な知識がないと実施できない、やや特殊な技術です。
施術後、すぐにしゃがんでいただいたところ、本人も驚くほどスムーズに足首が曲がり、しゃがめるようになりました。ご本人は「子供の頃からできなかったのに…」と、とても感動されていました。
こうした足首の問題は、もし未成年のうちに適切な施術が行われていれば、将来このような硬さや痛みにつながらなかった可能性もあります。しかし、距骨に対する矯正を的確に行える治療院や先生に出会うことは、実はなかなか難しいのが現実です。
アキレス腱の痛みは、仙腸関節の動的な安定性をも診ないと改善しませんので難しい面もあります。痛風が原因の場合もあります。
今後も定期的に矯正を続けていくことで、さらにしゃがみやすくなり、朝のアキレス腱の痛みも軽減していくと考えられます。
もし「昔からしゃがめない」「足首が固い」「朝のアキレス腱が痛い」といったお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの足首の原因も、もしかしたら距骨にあるかもしれません。