股関節の痛みを診る際、私は仙腸関節の動きを非常に重要視しています。
臨床では、仙腸関節のわずかな副運動と股関節の動きが連動しているように感じることが多くあります。そのため、股関節だけを診るのではなく、骨盤、とくに仙腸関節の状態を確認することが大切です。
仙腸関節の矯正には、必ずしも強い力は必要ありません。むしろ重要なのは、「針の穴を通す」ような正確さです。わずかな方向や角度の違いによって身体の反応が変わるため、力よりも正確性が求められる部位だと考えています。
また、踵やアキレス腱周囲の痛みでも、私は仙腸関節や腰仙関節との関連を必ず確認しています。これまでの臨床経験では、踵の痛みを訴える患者さんに仙腸関節の問題を認めることが非常に多く、局所だけの施術では十分な変化が得られない症例も経験してきました。
そのような場合には、踵やアキレス腱だけを見るのではなく、腰仙部から骨盤、下肢までを一つの連動した構造として捉えることが重要になります。
痛む場所だけが、必ずしも問題の中心とは限りません。
股関節や踵の痛みを診るときほど、仙腸関節や腰仙関節まで視野を広げることが大切だと考えています。
