60代の患者さん。左右交互に現れた足の甲の痛み。
今年8月、左足の甲に強い痛みが生じ、足を引きずるようにして来院されました。
痛みの部位や症状から、長母趾伸筋腱鞘炎が疑われる状態でした。
このときは、当院で行っている特殊な「刺さない鍼」で施術したところ、わずか1回で痛みが改善しました。
ところが今回は、反対側の右足の甲に同様の痛みが出現しました。
前回の強い痛みがよほどつらかったのでしょう。今回は痛みが出始めてすぐに来院されました。
■ 今回の施術
当院では、足の甲に痛みがある場合でも、患部だけに原因があるとは考えていません。
今回も骨盤や脊椎の状態を確認し、身体全体のバランスを整えるために脊椎・骨盤矯正を行いました。
その後、痛みのある足の甲に特殊な刺さない鍼を施しました。
前回は1回の施術で改善しており、今回も良好な経過を期待しています。
■ 痛みを繰り返さないために
今回の症例では、骨盤の状態や身体の使い方のクセが、足の甲への負担に関係している可能性があると考えています。
しかし、身体のバランスを整えるだけではなく、日常生活で使用する靴にも注意が必要です。
特におすすめしているのは、次のような靴です。
- 適度な踵の高さがあり、踵が安定する靴
- 土踏まず(足のアーチ)を適切にサポートする靴
- 足の甲を過度に圧迫しない靴
靴を替えても痛みが繰り返される場合には、軽い足首のサポーターを使用し、足部の安定性を補助することも検討します。
■ 臨床から感じること
痛みのある場所だけを施術するのではなく、なぜその場所に負担がかかるのかを考えることが大切です。
今回のように、左足の痛みが改善した後、反対側の右足に同様の症状が現れるケースでは、足そのものだけでなく、骨盤や脊椎、歩行時の身体の使い方、靴なども含めて評価する必要があると考えています。
痛みを改善することはもちろん、再発しにくい身体の状態と生活環境を整えることも、当院が大切にしている施術方針です。
※本記事は個別の臨床経験を紹介するものであり、同様の症状に対する施術効果を保証するものではありません。

Vagina tendinis extensoris longi hallucis は、解剖学のラテン語で、長母趾伸筋腱鞘(ちょうぼししんきんけんしょう)という意味です。英語では Tendon sheath of extensor hallucis longus といいます。
