私は経方医学を勉強しています。
私には、鍼灸よりも漢方のほうが分かりやすく、理論もあまり複雑にこねくり回していないように感じます。
その中でも、とても印象に残っているのが「立位の解剖」です。
初めてこの図を見たとき、頭の中に電気が走ったような衝撃を受けました。
映画『ブルース・ブラザース』(1980年)で、主人公ジェイク(ジョン・ベルーシ)が「神の啓示」を受ける、あのシーンのような感じです(笑)。
脈診の寸・関・尺は、なぜその場所を診るのか。なぜ肺経なのか。
「胃が第一発電所」「腎が第二発電所」と考えるのはなぜなのか。
「胃気の暴発」が起きるとどうなるのか。
それまで疑問に思っていたことが、立位の解剖を知ることでつながり、まさに目から鱗が落ちる思いでした。
簡単に言えば、第一発電所である胃が健全でなければ、身体全体を良い状態へ持っていくことは難しいという考え方です。
これは病気の治療だけではありません。
私は臨床を通して、運動選手も胃の状態が整わなければ、本来の力を十分に発揮しにくいと感じています。当院ではこのあたりも考えて施術するため、結果として競技成績が伸びる選手もいます。
そして、治療を考えるうえで非常に重要なのが膈(横隔膜)です。
横隔膜をしっかり動かせる状態にするのは簡単ではありません。しかし、なぜ横隔膜が重要なのか、その理屈が分かってくると、施術の見方も方法も大きく変わってきます。
痛い場所だけ治療して良くなる症状はそんなにありません。
「立位の解剖」を理解することは、身体を部分ではなく、全体のつながりとして診るための大きなヒントになると思っています。

