マッサージは、結局のところ慰安の要素が大きく、私は治療とは別のものだと考えています。
施術を受けた直後に「気持ちよかった」「楽になった」と感じることと、身体の問題が改善していくことは、必ずしも同じではありません。
私は臨床では、気持ちよさを目的に施術するのではなく、なぜ症状が出ているのかを考え、身体の状態を確認しながら治療を組み立てています。
鍼灸も同じです。ただ痛いところに鍼を刺せば、それで治療になるわけではありません。
痛みを感じている場所と、治療すべき場所が同じとは限らないからです。そのことをご説明しても、「痛いところだけに鍼をしてほしい」と希望される場合には、こちらから施術をお断りすることもあります。
痛みを感じている場所と、治療すべき場所が同じとは限らないからです。急性期以外の症状は殆ど痛い場所と治療すべき場所は違います。
例えば肩が痛くても、頸椎や胸椎、肩甲骨周囲などに原因が隠れていることがあります。腰や足の症状でも同じです。痛いところだけを追いかけていては、なかなか改善しない症例を私は数多く経験してきました。
だからこそ、まず身体を診ます。どこに問題があるのかを探し、治療点を選び、刺激量を考え、施術後に身体がどう変化したかを確認します。
「痛いところに鍼を刺す」のではなく、「なぜそこが痛くなっているのかを考えて鍼をする」。
私は、この違いがとても大切だと思っています。
これからの鍼灸院には、「鍼をしています」というだけではなく、どのように診て、なぜそこを治療するのかを説明できることが、ますます必要になるでしょう。
私自身も、患者さんに「気持ちよかった」と言っていただくだけではなく、「身体が変わった」と実感していただける治療を目指して、日々臨床を続けています。
